死にたい呪文

そう言えばすべてのことから許されるような気がして、「死にたい」と言ってしまう

わたしの中でその言葉は、言わずにはいられない強迫めいた呪文のようなものだ

切腹の文化を知らず知らずのうちに受け継いでしまっているのかもしれない 悲しい日本人の性かもしれないし、それこそ呪いかもしれない

べつにわざわざ誰かに「死にたい」なんて言う訳じゃない

一人でいる間ずっと頭の中に「死にたい」という言葉が浮かんでいて

自分の部屋にいるときなんかは口からもポロポロと「死にたい」呪文が零れ落ちる

居ても立っても居られない、得体の知れない何かに追われているような気がして心臓がバクバクと狂ったように動き出すから、とにかく何かに縋りたいと思ってとりあえず「死にたい」と言ってみる

なにが言いたいかと言うと、「死にたい」というのはわたしの"気持ち"ではなく"防御反応"のような物だと言うこと

実際は死にたくなんかないし、「死にたい」なんて縁起でもない言葉は思い浮かべるのだって嫌なんだ

でも反射的に浮かんできて、わたしを守ってくれている一つの大切な言葉なのかもしれない

ひとりあそび

だれも大切にしてくれないわたしだから、わたしも大切にしない

みんなといっしょになって貶していたほうが気が楽だから そうやっていれば、わたしだけは許される気がして

わたしは、わたしの目を見ることができない

数十年もの間、黙殺し続けてきたあなたの目が怖い あなたとはわたしである それなのに

怖いという情動こそがわたしを傍観者にする

いつも他人事 これは別のわたしたちの罪だと宣う わたしがわたしたちの神であるかのようだね

それでいて許されたい いつまでもずっと

これはわたしであってわたしでないものたちの罪 でも知ってる それはわたしの罪だった

 

わたしがお前に戻る日

人生は長い夢 早く醒めてくれ

たぶん地球上すべての生き物はどこか果てしない場所で眠る誰かの夢に登場するひとつでしかないんだ

あまりに長くそいつが眠っているから、それらひとつひとつに自我が芽生えてしまった

眠るそいつの脳とわたしたちは繋がっていて、それを養分に存在してる

そいつが起きてすべてが終わるなら、どうか早く目を覚まして

おまえがおまえに戻ってくれ

しなだれかかる

 

なりたい職業ってありましたか?と聞かれて困ってしまった

世捨て人になりたかったとか、スピッツになりたかったとか

そんな通常の人間からしたら馬鹿げた空想でしかない夢に縋って生きてきたんだな

「ありません」と答えたら、すべてがパチンと割れて拠り所を失ったような気持ちになった