アイドル

頭の中には「世の中」で作った偶像がいて、外でグラグラ生きながら勝手なことを考えるわたしのことを食い止める。それはわたしが道からはみ出して死なないように救いをくれ、もう一方でわたしのすべてを否定する。たまに付き合い方がわからなくなる。

 

その偶像はわたしのなかで生きている限り、いくら「世の中」の偶像といえどもそれはわたしの目を通して見えた「世の中」であるから、まったくの他人ではない。その偶像の中にはわたしの血が流れている。

 

わたしはいつも何かを否定しきれない。白黒つけられない。自信がないのだ。だから偶像ができた。それは情けなくもあり、矛盾するけど美意識でもあるかもしれない。

 

わたしはどっちつかずなものが好きなのかもしれない。縁側のあの外でも中でもない空間や、海でも陸でもない渚、川でも池でも陸でもない ほとり。

 

ひとりぽつねんと曖昧。女という価値、若さという価値、生まれてから得る付加価値の名前にどれだけ世話になっているかと思うことがある。けど、それをあえて脱ぎ捨ててみたい衝動もある。なんでもない自分。付加価値の鎧から這い出た どろり、と形をなくした自分。そんなわたしを好意的に見てくれる人が一体どれほどいるのだろう?怖い。ただでさえ鎧を着ていても弱いのに。それを脱いだらどうなるか…考えると怖いけど、それ以上に今は鎧が重すぎる。

 

 

わたしのなかにいる偶像のこと、きらいになりきれない。この偶像と頭の中で意見を戦わせるとヘトヘトになるし、考えることをやめてしまいたくなる。でも、偶像がいなかったらわたしは今以上に独りよがりなことを躊躇いもなく言っていたかもしれない。それはそれで怖い。でもそれならそれで強さとして生きる糧になったのかな?わからない。

 

とにかく明日が晴れだといいな!