蝉の最期

後ろから蝉が凄い勢いで飛んできた。勢いはそのままにジジジッ、と鳴きながらフラフラいろんな所にぶつかって落下した。鳴き声も途絶えたので近寄って見てみると動かなくなっていた。

わたしが見たのは蝉の最期だったのかもしれない。蝉に生きるとか死ぬとかいう概念があるのかわからない。ただ単に怖かったのかなと思うと悲しい。訳もわからず、ただいつもとは違う感覚に怖くなってあんな暴れるような飛び方をして死んでいったのだろうか。

まあ、蝉にしかわからない。でも、人間のわたしは死ぬのはやっぱり怖いと思った。